屋根の塗り替えを考えはじめると、まず気になるのが「いくらかかるのか」です。ただ、屋根塗装の費用は、同じくらいの大きさの家でも屋根の形や傷み具合によって変わります。この記事では、千葉市の株式会社花見川サービスが、屋根塗装の費用を左右する条件と、見積もりで確かめたい点を整理します。
屋根塗装の費用は何で決まる?
屋根塗装の費用は、①塗る面積、②勾配と足場、③下地の傷み、④塗料と工程、⑤屋根まわりの部材、という5つの条件の組み合わせで決まります。
屋根塗装とは、屋根材の表面を洗浄・補修したうえで塗料を塗り、表面の塗膜を新しくする工事のことです。この記事で金額の相場を書いていないのは、これらの条件が家ごとに違い、一律の金額を示すと実際の費用と離れてしまうおそれがあるためです。実際の金額は、現地を見たうえでの見積もりで確かめてください。
① 塗る面積
屋根には傾きがあるため、塗る面積は真上から見た広さより大きくなります。軒の出の長さや、屋根の形(切妻・寄棟など)によっても面積は変わります。見積書では、塗る面積が「㎡」などの数量で書かれているかを確かめましょう。
② 勾配と足場
傾きが急な屋根は足元が不安定になりやすく、建物まわりの足場に加えて屋根の上の足場が必要になる場合があります。
足場は安全のために組むものです。労働安全衛生規則第518条は、高さ2メートル以上の箇所で墜落の危険がある作業について、足場を組み立てる等の方法で作業床を設けることを事業者に求めています。作業床を設けるのが難しいときは、防網を張る、墜落制止用器具を使わせるなどの措置をとるよう定めています(2026年11月時点)。金額だけを見て足場の有無を判断せず、どのように安全を確保するのかを聞いておきましょう。
外壁の塗り替えも近い時期に考えている場合は、足場を1回で済ませる方法もあります。ただ、屋根と外壁の傷み具合が同じとは限らないため、それぞれの状態を見て判断しましょう。
③ 下地の傷み
塗る前の下地づくりにどれだけ手間がかかるかも、費用を左右します。たとえば菊水化学工業の施工仕様書「スーパー無機ガードZ遮熱(住宅屋根用化粧スレート仕様)」では、高圧水洗浄機でカビ・苔・藻などを除去し、旧塗膜がある場合は浮きや割れなどの劣化塗膜を除去する工程が示されています。洗浄後は、夏季2日以上、冬季3日以上の乾燥をとるよう書かれています。
屋根材の割れや、金属部分のさびがあれば、その補修の手間も加わります。千葉市でも海に近い地域では、潮風を受ける金属部分の状態も見ておきたいところです。
④ 塗料と工程
塗料の種類によって価格は異なり、塗る工程や回数も製品ごとの仕様で決められています。見積書では、下塗り材と上塗り材の製品名、塗る回数が書かれているかを見ておきましょう。
スレート屋根で確認しておきたいのが「縁切り」です。塗料で屋根材の重なり部分がふさがると、入り込んだ雨水の逃げ場がなくなることがあります。水谷ペイントの屋根用塗料施工マニュアルは、ふさいだ部分を切り離さないと雨漏りの原因になると説明しています。前述の菊水化学工業の仕様書にも、重なり部分に塗料が詰まっている箇所は縁切りを行うとあります。見積もりの段階で、縁切りをどの方法で行うのかを確かめておきましょう。
⑤ 屋根まわりの部材
棟板金や雨樋など、屋根の面以外の部材をどこまで工事に含めるかでも費用は変わります。塗るのか、交換するのか、今回は対象にしないのかを、部材ごとに確かめておきましょう。
塗装に向かない屋根はある?
あります。屋根材の種類や傷み具合によっては、塗装以外の方法を検討することになります。
たとえば水谷ペイントの下塗り材「マイルド浸透シーラー」の資料には、「いぶし瓦、釉薬瓦、乾式洋瓦(モニエル瓦)への塗装は避けてください」という注記があります。これはスレート系専用の下塗り材についての注記で、同じ水谷ペイントの屋根用塗料施工マニュアルには、釉薬瓦や乾式洋瓦向けの素地調整と塗装工程が別に載っています。塗れるかどうかは屋根材と塗料の組み合わせで変わるため、まず屋根材の種類を確かめることが出発点です。
また、塗装で新しくなるのは表面の塗膜です。割れ・反り・はがれが広い範囲に出ている場合や、すでに雨漏りがある場合は、塗装だけで解決するとは限りません。雨漏りは原因の調査を先に行い、屋根材の傷みが進んでいれば屋根の葺き替えとカバー工法の違いも比べてみましょう。屋根材ごとの特徴は屋根材の種類と選び方で解説しています。
見積書で確かめたい項目は?
金額の合計だけでなく、次の項目が具体的に書かれているかを確かめると、複数の見積もりを同じ条件で比べやすくなります。
| 項目 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 塗装面積 | 数量と単位の記載 |
| 足場 | 範囲と数量、屋根の上の足場を含むか |
| 洗浄・補修 | 補修する場所と内容 |
| 塗料と回数 | 下塗り・上塗りの製品名と塗る回数 |
| 縁切り | 有無とその方法 |
| 屋根まわりの部材 | 棟板金・雨樋などの扱い |
| 石綿の事前調査 | 要否と費用の扱い |
「屋根塗装 一式」とまとめて書かれている場合は、内訳を出してもらえるか聞いてみましょう。見積書全体の読み方はリフォーム見積書の見方で整理しています。
スレート屋根の塗装と石綿の事前調査
スレート屋根では、石綿(アスベスト)の事前調査をどう扱うのかも確認しておきましょう。環境省ホームページ「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」(令和8年2月改正)では、住宅屋根用化粧スレートが石綿を含む建材の施工部位の例として挙げられています。
同じマニュアルは、事前調査は改修等の工事も対象で、原則として実施が義務付けられていると説明しています。その例外の一つに挙げられているのが、既存の塗装の上に新たに塗装を塗る作業のように、今ある材料を除去せず新しい材料を追加するだけの作業です。
ただ、屋根の塗り替えには、塗るだけでなく、高圧洗浄で付着物や劣化した塗膜を落とす工程や、縁切り、割れの補修などが入ることがあります。古い塗膜を除去する場合や、割れた屋根材を取り外して差し替える場合は、この例には当たりません。塗装の工事だから調査は不要だと決めず、高圧洗浄や縁切りの扱いも含めて、工事全体で事前調査が必要かどうかを見積もりの段階で確かめておきましょう。
事前調査の考え方や、費用が一定額以上の工事で必要になる報告については、千葉市中央区で外壁塗装|市街地の住まいで工事前に確かめることで解説しています。
突然の「屋根の点検」の訪問には注意
費用の話とあわせて知っておきたいのが、屋根工事の点検商法です。国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(2023年10月11日公表)は、突然訪問して点検を持ちかけ、不安をあおって工事の契約をする手口を紹介しています。同センターのアドバイスの要点は次のとおりです。
- 突然訪問してきた業者に安易に点検させない
- 屋根工事はすぐに契約せず、十分に検討する
- 保険金を利用できるという話には気をつける
- クーリング・オフ等ができる場合もある
- 不安を感じたら、すぐに消費生活センター等に相談する(消費者ホットライン「188」)
同じページでは、リフォーム工事や工事費用等の相談先として、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」も案内されています。
屋根塗装を考えるときの進め方
まず今の屋根の状態を把握し、塗装が合うかどうかを確かめてから、見積もりを比べる流れが基本です。
- 地上や窓など安全な場所から、色あせ・コケ・割れがないかを見る。ご自身で屋根には上がらないでください(転落や、屋根材の踏み抜きのおそれがあります)。
- 雨漏りや広い範囲の割れがあれば、塗装に決めず、原因の調査から相談する。
- 屋根材の種類と傷み具合を確かめてもらい、塗装・部分補修・カバー工法・葺き替えのどれが合うかを聞く。
- 見積書の項目をそろえて比べる。
株式会社花見川サービスは、内装・外装リフォームの一つとして屋根塗装・屋根葺き替えを承っています。屋根の形状や築年数、劣化状況に応じて、葺き替え工事・カバー工法・部分補修などの方法もあわせて検討します。自社施工・適正価格を大切にしながら、建物全体のバランスや耐久性を考えて提案します。現地調査・お見積りは無料です。見積もりの時点で確かめきれない点の扱いも、契約前にご確認ください。
出典:環境省ホームページ「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」。本記事では、株式会社花見川サービスがこの内容を要約・編集して紹介しています。法令は2026年11月時点の内容です。
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